Herb
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アプリコットゼラニウム Pelargonium scabrum ‘M. Nonin’

~ 美しい花のセンテッドゼラニウム

2024/02/15

葉が芳香を持つセンテッドゼラニウム(ニオイゼラニウム、ペラルゴニウム、今はハーブゼラニウムとも呼ばれるようです)のひとつ、アプリコットゼラニウム Pelargonium scabrum ‘M. Nonin’ は半耐寒性多年草です。うちでは寒風や霜が当たらないようにしっかり防寒が必要で、草丈は50cm〜60cm位になります。株が小さな頃は花が咲きづらく、咲いてもさくらんぼちゃんの様に可愛らしく二輪で咲く事が多かったのですが、年数が経った株には花が数輪集まって良く咲くようになりました。丸い花びら、縁と中心が少し色の抜けたようなローズレッド色の花は美しいです。切れ込みのある濃い緑の葉の香りはアプリコットを想像させるそうですね。無加温のフレーム内では寒い時期も偶に咲き、見頃は5月〜6月、そして秋までちらほらと咲いています。伸びた枝は適当に切り、鉢植えの植え替えは早春にしています。

三寒四温とはいいますけれど暖かい日のこの気温の高さには驚き、喜んだり何か不安を覚えたりしています。庭散歩をしていますと、花苗を1つ2つ植え付けてしまいましょうか?の気にさせられ、無加温のフレーム内では咲かせる花の勢いが3月、4月の頃と錯覚してしまう程です。まだ2月でしょう?15日でしょう?流石に寒さに弱い植物を植え付ける事を思い止まるのは容易いですが、いつも4月の声を聞いても迷うのは5月の遅霜の経験があるからなのです。あるタブロイド紙の依頼で連載をしていました ‘ぽかぽか陽気にだまされ、浮かれ気分でハーブの苗を植え始める。’ で書き始めた2002年4月のエッセイ。春の植え付け時には気早に植えたセンテッドゼラニウムのダメージを受けた様子を思い出すのです。ダメージを受けても枯れてしまう訳ではないのですが、のんびり待って植え付けても遅すぎる事はないのを学ぶのに何年も掛かりました。センテッドゼラニウムの花と香りの個性的な顔ぶれは魅力に溢れています。そして60種類程を育てている中のひとつがこのアプリコットゼラニウムで、植栽や切り花として利用しています。

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